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Issue 08 · スポットライト

朝鮮とソウルの間の五世紀

『素晴らしい新世界』が同じ風景に二つの時代を重ねる

2026-05-14 読了 7分 ロケ地 4か所
朝鮮とソウルの間の五世紀
カメラがどの方向を向いても時代が割れない。その空間そのものが、姜丹心が失うことになる世界の全体だ。

『素晴らしい新世界』の真の主人公は、二つの時代が出会う継ぎ目だ。朝鮮の悪女・姜丹心が、21世紀ソウルの女性シン・ソリの身体に入って目を覚ます。両者を隔てるのは500年の時間であり、その時間を観る者に耐えさせるのは四つの風景である。作品は龍仁・聞慶・ソウル・済州という互いに離れた座標を、一つの感情的な地図として縫い合わせる。

朝鮮の都市:大長今パーク(龍仁)

旅は京畿道龍仁の大長今パークから始まる。84万坪の敷地に新羅・高麗末・朝鮮時代の建築物240棟あまりが立ち並ぶ、韓国最大規模の時代劇オープンセットだ。『善徳女王』『朱蒙』『イ・サン』をはじめ数多くの時代劇がここで作られ、『素晴らしい新世界』の第1話――姜丹心が処刑を前に最後に歩く朝鮮の風景――もこのセットが支える。宮殿・市場・瓦屋根の路地がともに再現されたこの空間の強みは、カメラがどの方向を向いても時代が割れないことである。

大長今パークのセットは、一つの都市ではなく、複数の身分の朝鮮を同時に抱える。王が住まう宮殿の軒、両班家の広い中庭、庶民がひしめく市場。姜丹心が処刑場へ引かれながら通り抜けるその路地は、すなわち朝鮮の階級図だ。作品が第1話の重みをここに託したのは、姜丹心が失うことになる世界の全体を一度に見せるためである。

カメラがどの方向を向いても時代が割れない。その空間そのものが、姜丹心が失うことになる世界の全体だ。

第1話をよく見ると、カメラが特定の建物をクローズアップするよりも、路地と路地のあいだを流れるように追っていることに気づく。これは意図的な選択だ。セットの空間的連続性――宮殿の塀から市場の真ん中まで途切れなく続く空間――が、姜丹心の最後の歩みに重みを加える。引かれていく者の視線が届くところには必ず朝鮮があり、その朝鮮は彼女が二度と見ることのできないものたちで満たされている。

山の朝鮮:聞慶鳥嶺オープンセット

次は慶尚北道の聞慶鳥嶺オープンセット。山岳地形の上に朝鮮の兵営と官衙のセットが組み合わさったこの場所は、処刑直前の最後の対峙シーンを支える。本来2000年にKBSの時代劇撮影場として出発し、朝鮮時代の背景にリモデリングされたこのセットは、光化門と交泰殿を含む130棟あまりの建物から成る。龍仁のセットが都市の朝鮮を作るとしたら、聞慶鳥嶺のセットは山の朝鮮を作る。同じ王朝でも、肌理の異なる朝鮮だ。

聞慶鳥嶺はセットである以前に道だ。朝鮮時代に嶺南と漢陽を結ぶもっとも重要な峠道がここを通り、科挙を受けに行く儒生たちが越えたその険しい山なみが、今もそのまま残っている。ドラマが処刑直前の対峙をこの山中に置いたのは偶然ではない。都市の朝鮮が姜丹心の持つものの風景だとすれば、山の朝鮮は彼女が最後に立ち向かう運命の風景だ。

オープンセットの外に広がる聞慶鳥嶺道立公園一帯は、今も古い道の雰囲気を保っている。第一関門から第三関門まで続く約6キロメートルの山道をたどれば、ドラマの兵営セットが持つ緊張感がどこから来るのか、身をもって感じることができる。科挙合格を夢見てこの道を歩いた儒生たちの足跡と、処刑を前にこの山に最後に立ち向かった姜丹心の歩みが、同じ土の上を通っている。

現在の重なり:一民美術館

現代の時間はソウル鍾路区世宗路13番地、一民美術館から始まる。光化門広場と景福宮を同じ視野に収める場所だ。作品がこの美術館をシン・ソリの日常空間に選んだ理由は明確だ。現在の風景の中に、朝鮮の記憶がつねに視覚的に同居している場所だからである。一つの画面の中で二つの時代が重なる。

一民美術館の建物そのものも時間の地層だ。1920年代に建てられた旧新聞社の社屋を美術館に変えたこの建物は、光化門の真ん中で近代と現代を同時に証言する。美術館のガラス窓の向こうに景福宮の瓦が見え、その向こうには21世紀ソウルの摩天楼が立つ。シン・ソリが毎日通り過ぎるその風景は、作品の主題――二つの時代が同じ空間に住む――をもっとも凝縮して見せる座標だ。

美術館のガラス窓の向こうに景福宮の瓦が見え、その向こうには21世紀ソウルの摩天楼が立つ。シン・ソリが毎日通り過ぎるその風景が、作品の主題のすべてを抱えている。

光化門という住所そのものが、すでに重なりだ。朝鮮の正宮がその場所にあり、近代の毀損があり、復元の試みがあり、今の広場がある。一民美術館はその重なりの中に1920年代という層をさらに一つ加える。姜丹心の眼でシン・ソリの身体がこの広場を見渡すシーンがこの建物の前で撮影されたのは、単なる背景の選択ではなく、場所自身の記憶をドラマの物語に直接引き込む選択である。

時代の狭間:済州・秘密の森

最後の座標は済州・秘密の森。西帰浦市安徳面の近くの杉林。深い霧と密生する木々が作り出す異質な空間は、朝鮮とソウルの境界をぼかす。作品の中でこの森は、夢でも現実でもない場所、二つの時代が互いの記憶へ滑り込んでいく場所になる。

秘密の森は、もともと防風林として造成された人工の杉林だ。まっすぐ伸びた木々が一定の間隔で立ち並んで光を細かく切り、済州特有の湿った空気がそのあいだに霧として留まる。宮殿でも都市でもないこの非現実的な空間が作品に必要だった理由は明確だ。二つの時代がぶつかる場面には、どの時代にも属さない舞台が要る。

済州の杉林のほとんどは1960〜70年代に造成されたものだ。防風・防音という本来の目的を果たしながら、均一な間隔と高さが作り出す視覚的な反復は、森に入った者から方向感覚を奪う。その無方向性――完全に整序された空間の中での迷失感――が、姜丹心とシン・ソリが互いの記憶に引き込まれていくとき、観客が感じるべき混乱の質感と正確に重なる。

四つの座標、一つの感情

龍仁、聞慶、ソウル、済州。一つの作品がこれほど離れた四つの座標を結ぶことは稀である。しかし作品はその距離を誇示しない。むしろ消す。カメラが切って繋ぐ間、視聴者に残るのは、二つの時代が同じ空間に住んでいるという感覚だ。

四つの場所はそれぞれの仕方で「重なり」という主題を体現している。大長今パークは消えた時代を物理的に再建した空間であり、聞慶鳥嶺は時代が消えた後も残った土地の記憶であり、一民美術館は現在の中に複数の過去が積み重なった建物であり、秘密の森はどの時代にも帰属しない脱時間の空間だ。それぞれ異なる仕方で、「今ここ」が単一の層ではないことを証明している。

旅人へ。時代劇のセット二つは一つの組み合わせとして、一民美術館と済州の秘密の森はそれぞれ別の日程で。龍仁と聞慶は車で約2時間の距離なので、一日で二つの朝鮮を都市と山に分けて通り抜けられる。光化門の一民美術館はソウルの日程に自然に組み込め、済州の秘密の森は安徳面一帯のほかの森やオルムとまとめると良い。

光化門の一民美術館の前に立つと、景福宮の瓦と美術館のガラスの外壁が同じ視野に入る。その瞬間、作品の視点が一時的に自分のものになる。『素晴らしい新世界』が五世紀を一つの画面に重ねたなら、旅人はその重なりを自らの二本の足でもう一度広げてみるのだ。朝鮮とソウルのあいだの距離は、歩く人にとっては、結局のところ一日分の動線にすぎない。


ロケ地

용인 대장금파크 경기도 용인시 기흥구 상갈동 148
01 S1E1

용인 대장금파크 경기도 용인시 기흥구 상갈동 148

京畿道龍仁の大長今パークにある朝鮮時代のオープンセット。宮殿・市場・瓦屋根の路地が再現されたこのセットは、姜丹心が処刑を前に最後に歩く朝鮮の風景の舞台となった。韓国最大規模の時代劇セットの一つ。

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문경새재 오픈세트장 경북 문경시 문경읍 새재로 932
02 S1E2

문경새재 오픈세트장 경북 문경시 문경읍 새재로 932

慶尚北道聞慶鳥嶺のオープンセット。山岳地形と朝鮮時代の兵営・官衙セットが組み合わさったこの場所は、姜丹心が処刑直前に最後の対峙を繰り広げるシーンの背景として使われた。

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일민미술관 서울 종로구 세종로 13
03 S1E1

일민미술관 서울 종로구 세종로 13

ソウル鍾路区世宗路13番地、光化門広場近くの一民美術館。現代のシン・ソリが日常を送る空間として登場する。光化門と景福宮を視野に収めるこの場所は、朝鮮時代の記憶と現在が同じ空間で重なる象徴的な設定だ。

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제주 비밀의숲 제주특별자치도 서귀포시 안덕면
04 S1E3

제주 비밀의숲 제주특별자치도 서귀포시 안덕면

済州島西帰浦市安徳面近くのビミルの森(秘密の森)。深い杉林と霧が交わるこの空間は、姜丹心の過去の記憶とシン・ソリの現在が夢と現実の境界で交差するシーンの背景として使われた。済州の異国的な自然が時空の曖昧さを強調する。

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周辺の見どころ

文化 · 용인 대장금파크

韓国民俗村

大長今パークから車で約10分。朝鮮時代の民家・両班屋敷・官衙など270棟以上の伝統建築物を実物大で復元した野外民俗博物館。伝統工芸の実演、農楽、民俗遊びなどの体験プログラムが常時行われている。ドラマのオープンセットとは異なる形で「生きた朝鮮」の感覚を伝える。

週末や繁忙期は混雑するため、平日の午前中の訪問を推奨。大長今パークと同日にまとめて訪れると効率的。

自然 · 문경새재 오픈세트장

聞慶鳥嶺道立公園

オープンセットのすぐ隣に位置する道立公園。朝鮮時代嶺南大路の要衝だった聞慶鳥嶺の古道が、第一関門(主屹関)から第三関門(鳥嶺関)まで約6.5kmにわたって保存されている。漢陽で科挙を受けようと向かった儒生たちが歩いた石畳の道がそのまま残り、ドラマの時代背景を足で感じられる最も近い場所だ。

往復約3〜4時間。歩きやすいトレッキングシューズ必須。春の桜と秋の紅葉シーズンが特に美しい。オープンセット見学後、第一関門まで往復するだけのショートコースもおすすめ。

文化 · 일민미술관

景福宮

一民美術館から徒歩5分。1395年に創建された朝鮮王朝の正宮。一民美術館のガラス越しに見えるその景福宮を実際に歩いて入る体験は、ドラマが二つの時代を重ねて見せる感覚を逆方向に体験することに等しい。勤政殿や慶会楼など朝鮮建築の核心的な殿閣が残る。

火曜日休宮。守門将交代式は1日数回実施されるため、事前に時刻を確認。韓服着用で無料入場。

自然 · 제주 비밀의숲

山房山

秘密の森がある西帰浦市安徳面から車で約15分。395メートルの溶岩ドームで、その独特の塔状の形が済州南西部の象徴的なランドマークだ。中腹の山房窟寺からは済州の南の海と兄弟島が一望できる。秘密の森の閉じた垂直感と対照的な開放的な眺望が、同日の日程に変化をもたらす。

山房窟寺まで階段で約20〜30分。洞内では岩壁から滴り落ちる水を見ることができる。日没頃に訪れると兄弟島のシルエットが金色に染まる光景を楽しめる。

自然 · 제주 비밀의숲

安徳渓谷

秘密の森から車で約10分以内。暖帯性常緑樹の群落と奇岩の崖が渓谷を形成する済州の隠れた名所。天然記念物に指定されており、夏でも涼しく湿った空気に満ちている。秘密の森が人工杉林の均一な垂直感を見せるなら、安徳渓谷は自然の岩盤と植生が織りなす有機的な空間の対比を体験させてくれる。

渓谷内は指定されたトレイルのみ通行可。梅雨明け(6〜8月後)に水量が豊富で特に美しい。トレッキングシューズ推奨。


訪問ガイド

大長今パーク(龍仁) — 京畿道龍仁市器興区上葛洞。エバーランド近く。公共交通:新盆唐線器興駅からバス乗り換え。入場料あり(現地で確認)。セット見学に約2時間を見込むこと。

聞慶鳥嶺オープンセット(聞慶) — 慶尚北道聞慶市聞慶邑鳥嶺路932。マイカー推奨(ソウルから約2.5時間)。近隣の聞慶鳥嶺道立公園の古道(第1〜第3関門、約6km)とセットで半日コースに。春・秋が最適。

一民美術館(ソウル) — ソウル鍾路区世宗路13。地下鉄5号線光化門駅から徒歩5分。観覧料は展示によって異なる。景福宮と同じ方向なので光化門エリアの徒歩日程に組み込みやすい。

秘密の森(済州) — 西帰浦市安徳面一帯。レンタカー必須。安徳渓谷・山房山とまとめて半日コースが効率的。朝早い時間帯が霧が最も濃い。通年訪問可能、夏は湿度が高い。